公開日:2023.10.16
特定技能外国人を受け入れることは、企業に多くのメリットをもたらします。特定技能制度がどのような制度なのか、技能実習制度との違いや具体的な受け入れのメリットをまとめました。特定技能外国人の受け入れがおすすめの企業の特徴とあわせて見ていきましょう。
近年、人手不足の解消や優秀な人材の活用などを目的として、外国人材を受け入れる企業が増えています。特定技能外国人を受け入れるべきか、迷っている事業者様も多いのではないでしょうか。
今回は、特定技能制度の概要や技能実習制度との違い、特定技能外国人を企業が受け入れるメリットについて解説します。特定技能外国人の受け入れがおすすめの企業の特徴も紹介していますので、あわせて参考にしてください。
【 目次 】
特定技能制度とは、一定の専門性や技能をもつ外国人材を企業などが受け入れるための制度です。2018年に出入国管理法が改正され、在留資格として新たに「特定技能」が設けられました。これを受けて、2019年4月より特定技能を有する外国人材の受け入れが可能になったのです。在留資格には「特定技能1号」と「特定技能2号」があり、それぞれ在留期間や求められる日本語能力などが異なります。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
---|---|---|
在留期間 | 1年・6カ月・4カ月ごとの更新(通算上限5年まで) | 3年・1年または6カ月ごとの更新 |
日本語能力水準 | 生活や業務に必要な日本語能力を試験などで確認 | 試験などでの確認は不要 |
家族の帯同 | 原則認められない | 要件を満たせば可能 |
受け入れ機関・登録支援機関による支援 | あり | なし |
受け入れ分野 | 介護、ビルクリーニング、建設、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業 | 建設、造船・舶用工業 (※注) |
注:特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定)| 出入国在留管理庁
技能実習制度と特定技能制度は、制度の目的が根本的に異なります。
つまり、技能実習制度は「学びが主体」「就労が目的ではない」という趣旨の制度であるのに対して、特定技能制度は「人材不足の解消」が主な目的です。そもそもの目的が異なることから、技能実習と特定技能では受け入れ可能な職種が異なる点に注意してください。
参考:技能実習制度 移行対象職種・作業一覧(令和5年10月31日時点)
https://www.mhlw.go.jp/content/001165663.pdf
特定技能外国人を企業が受け入れることによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットは次の5点です。
特定技能外国人の中には、自身の技能や技術を活かすべく高い志をもっている人材が数多くいます。熱心かつ意欲的に業務へと従事する姿は、既存の従業員にとって良い刺激になるでしょう。
実際、国土交通省が宿泊事業者を対象に実施したアンケート調査結果(※)によれば、特定技能外国人を受け入れた企業の多くが外国人材の真面目な仕事ぶりに好印象をもっています。 こうした人材を積極的に受け入れることによって、職場全体の活性化につながるでしょう。
※国土交通省「外国人材の受入れ等に向けた実態把握調査(宿泊事業者アンケート) 」
回答期間:2020年11月24日〜2020年12月17日
特定技能外国人(特定技能1号)の受け入れ期間は最長5年と定められているものの、継続的に外国人材を受け入れていくことによって人材確保の有力な手段となり得ます。近年、企業の採用活動は難度が増しており、求人を出しても応募が集まらない、求める技能・技術をもつ人材が確保できないといった状況に陥っている企業は少なくありません。
一定の技能・技術を有する特定技能外国人は、こうした課題の解決策となるでしょう。人材確保の有力な手段が増えることは、企業にとって大きなメリットといえます。
特定技能制度は人材を低い賃金で雇用する趣旨の制度ではなく、日本人の従業員と同水準以上の賃金を支払うことが義務づけられています。しかしながら、派遣社員を採用する場合や求人広告費を投入し続ける場合と比べると、総合的に見て人件費や採用コストを抑制できる可能性が高いでしょう。
特定技能外国人は一定水準の技能・技術を満たしているため、自社が求める技能要件を満たす人材を適切に配置するという意味でも合理性があります。日本人の従業員を採用した場合、技能要件の面でミスマッチが生じるリスクがあることを踏まえると、人件費を合理的に活用できる採用手段ともいえるのです。
特定技能外国人を受け入れるにあたって、自社の作業工程を整理したり、必要に応じて見直したりする必要があります。一見すると手間がかかる作業ですが、これまで慣習的に続けられてきた業務の進め方をあらためて客観視することにより、合理化や効率化を図るきっかけになるでしょう。
属人的になりがちだった業務の手順を可視化したり、マニュアル化して共有できる状態にしたりすることを通じて、既存の従業員にとっても仕事を進めやすくなる可能性があります。作業工程を見直すきっかけになることは、外国人材を受け入れるメリットの1つといえるでしょう。
特定技能外国人の受け入れを機に、送り出し国との間に交流が生まれる可能性があります。定期的に情報交換をしたり、現地の状況を把握する手段が確保されたりすることによって、将来的に海外進出を検討するきっかけとなることも十分に考えられるでしょう。
国内の人口が減少に転じている昨今、海外にビジネスチャンスを見いだす企業も多くなっています。海外への事業展開を予定している企業や、今後検討する見込みのある企業にとっては、現地とのパイプづくりに役立つ可能性があるため、特定技能外国人を受け入れることはメリットの1つといえます。
特定技能外国人の受け入れがおすすめの企業の特徴を紹介します。外国人材を受け入れるべきか迷っている事業者様は、自社が次の特徴に当てはまっているか確認してみましょう。
新卒採用や中途採用など、若年層の採用を促進したいと考えているものの、実際の採用状況が芳しくない企業も多いのではないでしょうか。若年層の採用が計画通りに進んでいない企業にとって、特定技能外国人の受け入れが1つの突破口となる可能性があります。
人材確保を実現するには、募集先の裾野を広げていくことが大切です。日本人の若年層に限らず、外国人材も対象とすることによって、想定通りの採用者数を確保しやすくなります。現状の採用計画と実績に鑑みて、計画通りに進んでいないようであれば特定技能外国人の受け入れを検討するタイミングかもしれません。
従業員の定着率が高く、離職者が少ないことは一見すると良い傾向のように思えますが、人材が固定化することで業務がマンネリ化しやすくなるというデメリットもあります。同じ組織に長年属していることで、考え方や発想が似通ってくることはめずらしくありません。
特定技能外国人を受け入れることで、さまざまなバックグラウンドをもつ人材に就業してもらえます。既存の従業員にとって新たな視点や発想を得るきっかけとなり、結果的に社内の活性化が実現しやすくなるでしょう。
外国人材が社内で就業し始めることによって、日々の業務を通じてグローバルな視点を得られるようになります。文化や習慣の違い、母国語の違いなど、業務を遂行する上で欠かせない配慮を従業員が意識するようになることで、自然と国際感覚が身についていくでしょう。
また、将来的に海外へと進出する際、現地のリーダーとして活躍できる人材を育成できる可能性もあります。海外進出を視野に入れている企業にとって、将来的に計画している事業展開を実現するための重要なきっかけになるはずです。
特定技能制度を活用するにあたって、具体的にどのような手続きや申請が必要になるのか知りたいという事業者様もいることでしょう。結論からお伝えすると、特定技能制度を活用する際には「外国人材受け入れサポート」の活用がおすすめです。エイジェックグループの「外国人材受け入れサポートBPO」では、次に挙げる業務に対応しています。
特定技能制度を活用するには、さまざまな申請や届出が必要です。下図は、特定技能外国人を受け入れる際に必要な届出や、受入れ機関に対して実施される検査等の概略を表しています。
出典:外務省「登録支援機関について 」
上記の通り、特定技能外国人を受け入れる際には「登録支援機関」の存在が不可欠となります。企業が単独で特定技能外国人を採用・雇用することはできない点に注意してください。
エイジェックグループは、外国人材雇用の総合窓口として、企業が抱えるさまざまな課題の解決に貢献しています。外国人材が海外在住時からオリエンテーションを受けられるため、在留資格申請のほか、日本での生活に必要な情報の提供や教育の実施により、外国人材雇用における課題をワンストップで解決いたします。
特定技能外国人の受け入れは、採用計画をはじめとする人事スケジュールを加味して進めていく必要があります。日本人の採用や人事異動など、自社の人事スケジュールに合わせて計画を立てていくことが重要です。
エイジェックグループの外国人材受け入れサポートBPOでは、それぞれの事業者様の採用計画など、人事スケジュールを加味した総合的なサポートにも対応しています。自社にとって適切なタイミングで外国人材を受け入れたいと考えている事業者様は、ぜひエイジェックグループにご相談ください。
ライター:株式会社ネオマーケティング